個人再生・個人再生法について
個人再生
個人再生手続きとは、個人版民事再生・個人債務者の民事再生に関する特則のことで、「小規模個人再生」「給与所得者等再生手続き」「住宅資金貸付債権に関する特則」の3つの手続きの総称のことです。
この制度が発足する前は、たくさんの借金を抱え込んでしまった個人債務者は、任意整理・調停・強制和議・従来の民事再生、最終的には「自己破産」しかなかったわけです。
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個人再生手続きとは、民事再生法の個人向けのバージョンで、平成13年4月にできた比較的新しい制度です。
裁判所に認められた再生計画に基づいて一定の借金を免除してもらう方法です。
これまでの制度では通常の民事再生で行わなければならず手続も煩雑で、個人が利用するのは難しい手続でした。
そこで、法律が改正され、「個人再生手続」が取れるようになり、徐々にではありますが、この個人再生と言う制度の知名度が広まって、利用者数は毎年増える傾向にあるようです。
この個人再生とはどのような制度かというと、住宅ローン以外に多重債務をかかえて支払いが困難になった方 の借金を減額したり、住宅ローンの返済計画を変更をすることにより、マイホームを手放すことがないように借金を整理して返済していくのが、この制度の最大の特徴でありメリットとなっています。
住宅ローンの返済に悩んでいるが、できる限り住宅を手放すことなく生活を立て直したいという方のため、住宅ローンについて「再生計画」による支払いの繰り延べを認めてもらって、住宅に設定された抵当権の実行を制限できるようになったということです。
これによって、住宅ローンに関する債権者・債務者間の利益の調整が図られることになります。
不動産を手放したくないという理由で、自己破産はしたくないと思っている方は多くいます。
そういった方にとってはいい制度だと考えられます。
サラ金・クレジットなどの借金の場合、大半のケースで減額が認められますが、住宅ローンについては減額はされません。
住宅ローンついては、返済期間や返済額などの返済計画を見直すなどして、きちんと毎月返済していくことが条件となります。
個人再生法
新聞やテレビの報道を見ていると日本の景気は良くなっていると言われていますが、その一方でそれは大都市や大企業だけが恩恵を受けているとも言われています。
ワーキングプアという言葉もあるように日本全体が景気回復を享受している訳ではありません。
そんな中、住宅ローンが払えなくなる人も年々増えてきているようです。
1993年に当時の建設省(現在の国土交通省)は当面の返済額を極端に少なくし5年後に返済額が急増する「ゆとり償還住宅ローン」を創設しました。
このローンは将来の年収増を前提にした住宅ローンですが、御存じのように年収が右肩上がりの時代はとうの昔の事で今ではこうしたローンも無くなりました。
さて、2000年11月に「民事再生法等の一部を改正する法律」が制定されました。
この法律の制定によって債務整理をして生活を再建する方法として「個人再生手続」が可能になりました。
それまでの任意整理や調停と比べて手続きの容易な事が特徴です。
改正した民事再生法に、個人再生の規定が新しく追加されたため個人再生法と呼ばれています。
個人再生法では住宅ローンの支払いが困難になった場合の救済方法に住宅ローン特則(住宅資金特別条項)というものが盛り込まれました。
通常、ローン支払中の住宅は債務整理をすると抵当権を行使され競売にかけられます。
しかしこの個人再生法は一定の条件を満たせば住宅を手元に残せる事が出来ます。
つまり民事再生法適用ならば住宅ローンについても猶予を与えてくれるのです。
この場合住宅ローンの減額・債務免除・金利引下げは一切出来ませんが、裁判所が強制的に返済計画の引き直しを行うというものです。
再生中も以前と変わらぬ額を弁済しなければなりませんが、場合によりローン期間の延長(満70歳まで最高10年間)も決定される場合があるのでよりスムーズに再建計画が進ませる事が出来ます。
住宅ローンは期間の延長、それ以外の債務は減額されたとは言えども必ず支払わなければなりません。
一度再建計画が了承されると支払いに遅延等は認められないませんので肝に銘じましょう。